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前鋸筋 鍛えてる?? 巻き肩の原因や肩甲骨の動作に影響する知っておきたい重要な役割と前鋸筋エクササイズを紹介

前鋸筋 鍛えてる?? 巻き肩の原因や肩甲骨の動作に影響する知っておきたい重要な役割と前鋸筋エクササイズを紹介

前鋸筋の基礎知識

前鋸筋って皆さん聞いた事がありますか??
読み方は「ぜんきょきん」と読みます。

前鋸筋は「他の筋肉や筋膜との繋がり」が一番重要な役割です。
身体を上手く動かすための「最強のサポート筋」であると覚えておきましょう。 

広背筋や上腕二頭筋などのメジャーな筋肉と違い、身体の内側にあるいわゆる「インナー」と呼ばれている筋肉に
分類されますが、この筋肉が発達している人は他の筋肉と同様しっかり目視できます。

特に肩周りの動きに大きく関与している為、肩の痛みや巻き肩の原因にもなっている見過ごせない筋肉なのです。

記事の最後には前鋸筋の機能を高めるエクササイズも紹介しているので、是非参考にしてください。

そんな縁の下の力持ち、前鋸筋の役割を今回は徹底解説していきます!!

身体のどの辺にある?

前鋸筋
まず初めに筋肉には起始・停止(筋肉がどこからどこについているか)と言う言葉があります。
前鋸筋の起始・停止は、
起始:肋骨1~9本目
停止:肩甲骨の内側の縁(内側縁)までついています。

ざっくりとイメージすると肋骨を覆う様についており、肩甲骨にも付着しているため肩周りの動きにも大きく関与してきます。

そして、この前鋸筋はローテーターカフの1つである肩甲下筋(肩のインナーマッスル)と部分的に重なる様な形で存在しており、
前鋸筋が硬くなってしまうと肩甲下筋の動きも悪くなってしまいます。
小胸筋という大胸筋の下にある筋肉とも深い繋がりがあります。

そして、肩甲下筋だけでなく菱形筋や腹斜筋(内・外)と筋肉の走行が繋がっています。
他の筋肉との繋がりについては、また別の記事で書いていく予定ですので、少々お持ちください!!

どんな役割があるのか?

肩甲骨
では次に、前鋸筋の働きと筋肉の走行について書いていきたいと思います。

前鋸筋の働き
肩甲骨の下制・外転・上方回旋・下方回旋・肩甲骨固定時の肋骨挙上
主にこの5つになります。

実は、この他にもあまり聴き慣れないかも知れませんが、
肩甲骨の後傾にも深く関わっています。

1つずつ見ていきましょう。

肩甲骨の下制

肩を落とすと言う表現の動きになります。
逆に肩をすくませている筋肉で代表的なのは首から肩のラインに沿って付着している僧帽筋(上部繊維)です。
前鋸筋が上手く働いていないと肩がすくんだ状態になり肩こりなどの原因に繋がります。

ベンチプレスなどの胸を鍛えるトレーニングの時にしっかりと肩甲骨が下がっていないと、
肩が上がったままウエイトを降ろしてしまい、肩のインピンジメントと言う重大な怪我に繋がってしまいます。

これは後に記述する「肩甲骨固定時の肋骨挙上」に繋がってきます。

肩甲骨の外転

肩甲骨を外側に開く動作になります。
ボクサーがパンチを打つ動作の時に使われる筋肉なので、「ボクサー筋」とも前鋸筋は呼ばれます。
そして「猫背・巻き肩」はこの「外転」の動きが過度に出てしまっているものなので
逆の動きである、肩甲骨の内転(肩甲骨を寄せる)動作とのバランスが取れていない状態です。

肩甲骨の「外転」の重要な役割としては、肩甲骨の動きを安定させる事にあります。
試しに、猫背の状態・肩甲骨を寄せた状態でバンザイしてみてください。
猫背の時は腕が真っ直ぐに耳の横まで来ず詰まってしまい、逆に寄せた状態では先程の僧帽筋(上部繊維)に力が入ってしまうと思います。

肩甲骨が開きすぎず・閉じすぎず、ちょうど良いポジションにないと、腕を挙げた際に正しいポジションにきません。
特に肩を良く使うスポーツやウエイトトレーニングでは肩甲骨の安定性は力を十分に伝える他、肩周りの怪我予防にもとても重要な役割があるので「外転」のみに着目したエクササイズも取り入れるべきです。

肩甲骨の上方回旋・下方回旋

この動作は肩甲骨を上下方向に「回旋」させる動きで、
分かりやすい動きとしては、バンザイ(上方回旋)とバンザイから腕を下ろす(下方回旋)動作になります。

ちなみに、前鋸筋上部は下方回旋・下部は上方回旋、と筋肉の場所によってそれぞれの役割が異なる事から
1つの筋肉でも各部分が硬くなるとその他の動きにも影響をもたらすと言う事が考えられます。

腕を上げる動作に大きく関わっている為、先ほどの肩甲骨外転と協調して動く必要性があるのです。

肩甲骨固定時の肋骨挙上

「肩甲骨固定時」とはどの様な時か。
ここは筆者の考えも少し交えています。

日常生活の中で意識して肩甲骨を固定する瞬間は滅多にないと思いますが、
トレーニングをしている人なら、胸を鍛える時に良くこの動作を行っているのではないでしょうか??

胸に効かせる為には、胸を張り筋肉をある程度ストレッチさせた状態をキープする必要があります。
ただ単に胸を張った状態、いわゆる肩甲骨を寄せた(内転)だけでは重りを動かした際に、肩がすくみ、
例えばベンチプレスなら肩の怪我に繋がってしまう可能性があるので肩甲骨を下げる必要があります。

もう、お気づきかも知れませんが「肩甲骨固定時」とは肩甲骨の[下制]と若干の[下方回旋]が関与していると筆者は考えます。
この2つの動作で、肩甲骨が引き下げられる事により肋骨が挙上するという仕組みなのではないでしょうか。

肩甲骨の後傾

巻き肩
後傾と聞くと大体、骨盤の前傾・後傾がメジャーですが肩甲骨にもその表現が当てはまります。
肩甲骨は身体を側面から見た時に、元々やや前傾しています。
これが過度に前傾しすぎてしまうと巻き肩や明らかな姿勢の悪さに繋がってきてしまいます。

これを正しいポジションに納めているのが前鋸筋の役割です。
前鋸筋には前述した下制の役割がありますが、この役割が肩甲骨の過剰な前傾を抑えてくれています。

前鋸筋が硬くなってしまうと、肩甲骨の正常なポジションを保つ事ができません。
肩甲骨が上がってしまい、前傾がひどくなり肩が開いてしまい、巻き肩や猫背の原因となり
ただでさえ効かせるのが難しい、ベントオーバーロウなどの肩甲骨を寄せるトレーニングが僧帽筋(上部繊維)に逃げてしまい苦手意識を持ちやすくなってしまいます。

ここまで読んでくれたあなたは、前鋸筋の重要性、、分かって頂けましたよね?(^ω^)

※今回はそこまで記述していませんが、「小胸筋」という筋肉も前鋸筋と同じ役割を持つ筋肉なので肩甲骨の動きとポジションを保つ為に重要な筋肉です。

前鋸筋の動きを高める2つのエクササイズ

腕立て伏せやディップスなどでも前鋸筋は鍛えられますが、あくまで補助的に使われています。
前鋸筋の動きが悪くなっている場合は、前鋸筋そのものに刺激を入れることも大切です。

最後に筆者がオススメする2つのエクササイズを紹介したいと思います。

Scapular Push up(スキャプラプッシュアップ)

肩甲骨の内転・外転に焦点を当てたエクササイズ。

腕立て伏せの姿勢で肘を曲げずに肩甲骨を落とす(内転)・出す(外転)を繰り返し、
特に肩甲骨を出す動きの時に肋骨を収縮させるイメージで行います。

ウォーミングアップなどに取り入れると効果的です。
3セット12~15回

Bent arm bar(ベントアームバー)

少し変わった動きなので、トレーナーなどの専門家に教わるのをオススメします。
肩甲骨を内転させたポジションに焦点を当て、重りを使って前鋸筋をストレッチする種目です。

立った状態で肩甲骨を内転させても前鋸筋に対しては対してストレッチはかかりませんが、
横に寝た状態で肘を曲げる事によって、重力と重りの負荷がかかるベクトルが重なりストレッチをしっかりかける事ができます。

重りはダンベルでも大丈夫ですが、オススメはケトルベルです。
ケトルベルなら手首に引っかかった状態になるので保持するのが楽です。

2セット各30秒ホールド

まとめ

今回は前鋸筋の役割とエクササイズを紹介しました!!
前鋸筋は聴き慣れない筋肉ですが、その重要な役割が今回の記事を通して知って頂けたかなと思います。
少し専門的な用語などが出てきているので、わかりにくかった方は下記の通りに理解していただければ十分です!

「前鋸筋が硬くなると肩甲骨が開いて肩がすくみやすくなり、近くにある筋肉の動きも悪くしてしまう」

前鋸筋をしっかり動かす意識を日頃から持ち、巻き肩改善・肩の怪我予防・パフォーマンスアップに繋げましょう!!

当パーソナルトレーニングではウエイトトレーニングを通して姿勢改善も指導しています。

最後まで、ご覧頂きありがとうございました!