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小胸筋 硬くなってない??あなたの肩こりの原因VOL.2&前鋸筋との重要な繋がり

小胸筋 硬くなってない??あなたの肩こりの原因VOL.2&前鋸筋との重要な繋がり

胸の筋肉を答えてください!!と効かれたら、あなたは何と答えますか??
大半の人が大胸筋と答えると思います。
胸といえば大胸筋のイメージがとても強いですが、実は大胸筋の下にも胸の筋肉が隠れています。
それが今回のメイン、小胸筋です。

名前的にはめっちゃ覚えやすいと思います。
でも、小胸筋ってほとんどの人が知らないんですよね…
前回の前鋸筋と同じく、インナーと呼ぶべき筋肉でしょう。

現代人はスマホやデスクワークなどで顔が前に出ている事が多くそれに伴い猫背になっているので、
かなり小胸筋が硬くなっている人が多いです。「スマホ首」は現代病の代表とも言えますよね。

上記の様な現代病にも繋がっている小胸筋を今回は徹底解説していきたいと思います!!
前回の前鋸筋の記事と繋がってくる箇所もあるので、合わせて読めばあなたの肩こりや猫背の原因がより一層明白になります。

小胸筋はどこにある??

肩こり
小胸筋の起始・停止(筋肉の付着場所)は、
起始:第3肋骨〜第5肋骨
停止:肩甲骨の烏口突起(うこうとっき)
に付着しています。

烏口突起は聞き慣れない部位ですが、肩甲骨の一部です。
小胸筋以外にも上腕二頭筋短頭・烏口腕筋などの筋肉が付着しています。

まず烏口突起は首下の鎖骨のラインから肩に辿り着く直前のすぐ下にあります。
そして小胸筋はその烏口突起から、肋骨に向かって指で3を表した時の手の形の様に斜めに走行しています。
主な動作として、腕を伸ばして物を拾う様なの時に小胸筋は使われます。

大胸筋のすぐ下に隠れていると覚えておきましょう♪

小胸筋の役割

小胸筋の役割としては、前述した「腕を伸ばして物を拾う様な動作の時に使われる」ですが、
解剖学的用語で言うと、
肩甲骨の下制・下方回旋・外転・肩甲骨固定時の肋骨挙上・前傾
主にこの5つになります。

あれ??どこかでこれ見た様な、、、
そう、ほとんど前鋸筋と被っているんです!
前鋸筋と被っていないのは下方回旋と前傾の部分になります。

これは、前鋸筋との関係性がかなり深そうですよね。。。
1つずつ見ていきましょう♪

肩甲骨の下制

肩甲骨
一般的に肩を下げる事が肩甲骨の下制です。

そして肩甲骨の上下運動で必ずと言って良いほどセットになってくる筋肉があります。
それが僧帽筋(上部繊維)です。
この僧帽筋の役割は肩甲骨の挙上、いわゆる肩を上げることです。
普段の姿勢から、よく肩がすくんでいる人は常日頃から僧帽筋を酷使している事になります。

その結果筋肉が硬くなり肩こりに繋がります。
ただ、慢性的に肩こりや猫背などの姿勢に悩まされてる人は直接僧帽筋にアプローチしても改善されることは
少ないかもしれません。
それは僧帽筋が酷使されてたせいで、肩を下げる小胸筋の機能が低下している恐れがあるからです。

この様な場合は小胸筋の柔軟性と筋力を高める必要性があります。

肩甲骨の下方回旋

猫背
バンザイの姿勢から腕を下げるなどの動きが肩甲骨の下方回旋です。
これは肩甲骨の下制と特に協調して動きます。

肩甲骨の下方回旋は体幹部の安定性を高める為にも重要な役割があります。
下制と下方回旋を同時に行うと強く背中周りの筋肉に力が入るのがわかると思います。
背中の筋肉に力が入ると肩甲骨が固定されるのでウエイトトレーニングで高重量を扱う時の体幹の安定性や
肩関節の怪我予防にも繋がります。

肩甲骨の外転

肩こり
肩甲骨を外側に開く動きです。
この外転作用が強く働きすぎてしまうと、猫背に大きく繋がってきます。
何なら、小胸筋が硬くなってしまう事によって一番影響が出てくるところが肩甲骨外転だと筆者は考えます。

姿勢が悪い=猫背が一般的なイメージですが、猫背は胸が閉じた状態です。
小胸筋は身体の前面についている筋肉なので、肩甲骨外転の作用を持つ小胸筋が硬くなると
肩甲骨が常に外側に開いた状態になってしまうので、デスクワークの様に長時間座った状態で作業する方は、
姿勢が崩れ硬くなりやすいので注意が必要です。

肩甲骨固定時の肋骨挙上

小胸筋は努力呼気(息を吐く)の時に肋骨を挙上させて肩の動きを助ける役割があり、
肩甲骨固定時とは、肩甲骨が動かない様に内転位(内側に寄せた状態)や外転位(外側に開いた状態)の
ポジションでキープすると捉えるのが一番イメージしやすいと思います。

トレーニングで言えば、ベンチプレスやオーバーヘッドスクワットなど
腕を伸ばした状態から何らかの作業をする時に必要になってくる機能です。

肩甲骨の前傾

小胸筋
小胸筋の起始・停止部が肋骨~烏口突起についている事から、収縮した際に肩甲骨が前傾します。
ですので、小胸筋が硬くなってしまうと背中のトレーニング、特に僧帽筋中部や菱形筋などの肩甲骨内転動作で鍛えるトレーニングが苦手になりやすいです。

その理由としては、常に肩甲骨が前傾状態になり、前傾状態という事は肩甲骨がやや挙上しています。
そして肩甲骨を寄せた際に、若干の挙上状態である事から僧帽筋の上部に逃げてしまう可能性が高くなります。

身体を斜めにして行うベントオーバーロウやワンハンドロウなどの動作が特に苦手な傾向にあると筆者は考えます。
ちなみに上体を立てて行うシーテッドロウや身体を斜めにしますがインクラインベンチに寝転んで行う
インクラインダンベルロウなどはシートの角度が調節できるため、小胸筋が硬い人でもしっかり僧帽筋中部や菱形筋に効かせられると思います。

前鋸筋との関係性

筋膜
前鋸筋と小胸筋は似た様な機能を持っている事から互いに肩の動きを助け合っており、
小胸筋は肩甲骨の回旋運動を出さず肩甲骨を外転させます。
この時、同時に前鋸筋も働きます。

前鋸筋は外転させる時わずかに肩甲骨を上方回旋させるのに対して、小胸筋は下方回旋させます。
同時に前鋸筋,小胸筋が働く事によって上方・下方回旋が相殺されシンプルに肩甲骨の外転の動きだけが生じるのです。
これはベンチプレスやプッシュアップなどで物体または地面に対して力が伝わりやすく、挙上時の安定にも繋がります。

そしてここからは筆者の考えですが、特にベンチプレスの場合は上方・下方回旋が相殺される事によって
肩甲骨が固定される事に繋がり、しっかりと肋骨が挙上され上半身のアーチが保たれるので
肩の怪我予防になってくると私は考えます。

一部引用:身体運動の機能解剖 改訂版

ストレッチ(S)&トレーニング(T)

小胸筋の柔軟性と機能を高める手軽に取り組める筆者オススメのエクササイズを紹介します。
紹介するその他にも多くのエクササイズがあるので、ぜひ取り入れて見てください。

コーナーペックストレッチ

大胸筋・小胸筋の柔軟性を獲得するににとても良いストレッチです。
しかし、1つ注意点があります。
それは三角筋の前部(肩の前側)を強く伸ばしすぎない様に注意してください。
肩の怪我をまねく恐れがあります。
胸の筋肉だけにストレッチがかかっている事を意識しましょう。

下記の動画内の中でコーナーペックストレッチ以外にもエクササイズを説明してくれているので
そちらも是非ご覧ください♪

バーベル(ダンベル)プルオーバー

この種目は肘を曲げるか曲げないかで対象筋への刺激が変わってきます。
このプルオーバーはどちらかというと腕を伸ばし気味で行うので大胸筋・小胸筋への
ストレッチ種目として効果的です。

注意点としては、腕を伸ばした状態で行うので高重量すぎると肩の脱臼リスクがあります。
あくまでも筋力強化目的ではなく、柔軟性や連動性を高める種目として取り組むことをオススメします。

まとめ

今回は肩こりや猫背の原因にもなっている小胸筋について記事を書きました。
小胸筋は日頃の姿勢不良に伴う柔軟性の欠如が原因の方が多いです。
肩周りの動きを円滑にする為にはとても大切な筋肉なので、
トレーニング習慣がない方は、まずはストレッチから初めてみてください。

身体を変えるには身体を鍛える、これは基本中の基本です。
生涯自分の体で生活していく為にも日頃の運動習慣を見直してみましょう!